Written by Laura Atencio - Urguayan/Australian - currently living in Sydney, NSW, Australia Family are those who stick by you...
【委員連載⑬】 ことばを教える
文化大革命が勃発した北京では、あらゆる授業はボイコットされ、教師は「紅衛兵」の学生に吊るし上げられ、暴行を受けた。この秩序破壊はしかし反社会的な運動として行われたのではなく、毛沢東思想、革命、「造反有理」の名のもとに正当化されたものだった。 この状況をある種のディストピア...
【委員連載⑫】 無題6
森岡浩之の 『夢の樹が接げたなら』 という短編集に「ズーク」という作品が収録されている。この作品で登場する言語(あるいは方言)には普通名詞が存在しない。原則として全ての名詞は固有名詞であって、例えばある少年の《右手》と、別の少年の《右手》には互いに異なる、固有の語が割り当てら...
【10月7日】家族について【イベントのお知らせ】
(著作者:Luxt Design) こんにちは。宮田です。 みなさん、家族について考えたことはありますか? いや、分かっていてわざとらしく疑問文にしているのです。家族について考えたことがない、という人はおそらく一人もいないのではないかと思います。 ...
【委員連載⑪】たとえば、の話
結局、 宮田くんは余白の話をしたかったのか、吉村くんの非を指摘したかったのか 。どうも煙に巻かれた格好だ。なんだか虫食いだらけの藁半紙を回されてきて、そこになにか書き足せと言われたような気分で、書きにくい。 マージナリアの語源marginaliaは、「余白marginに書...
【委員連載⑩】 秩序と余白
前回、吉村君は三村君の記事を批判していた(たぶん)。しかし吉村君は三村君の文章の主旨を読み誤っていると思う。今回はその点を検討するのではなく、余白に思いを巡らしてみたい。ちなみにひとつの問いを立てておくことができるだろう。吉村君は三村君の文章を読み誤っており、しかし一方で...
【委員連載⑨】 非言語賞揚批判の持つ文学的横暴
この連載、細胞を飼う話から突然言葉の話になったり、流石に脈絡が薄すぎではないかという気がする。もう少し内容的に繋がるように書いた方が良いんじゃないかと思うのだが、それはさておき。三村氏の記事は文学系特有の横暴があるような気がするのだな。確かに氏の言うよう、言葉は大事なのだが、...
【委員連載⑧】 言葉を養ふ
細胞と同じやうに、言葉もまた毎日慈しみ世話をしてやらなければやがて枯れてしまふ。ポーランドに来て一週間ほどになつた時、どことなく言の葉が萎れてきたやうに感じた。これは一つには會話しかしてゐなかつたためであると思はれる。ある夜スタニスワフ・バランチャクの詩の朗讀會があつて、それ...
つまらない世代
つまらない、と思う。僕の周りでなにも面白いことが起きないからだ。 僕の周りで面白いことが起きないのは、面白いことを起こすような人間が周りにいないからだ。面白いことを起こすような人間が周りにいないのは、僕がそんなに面白いことを起こしていないからだろう。僕が身近な面白いことに...
【委員連載⑦】 細胞を飼う
細胞を飼い始めてから二年以上が経った。 培養細胞の飼い方は普通のペットを飼うのとさほど変わらない。適切な餌と住処を与え、そしてちゃんとまめに面倒をみてやるのが基本である。今私が飼っている細胞の場合、餌は幹細胞用の液体培地、住処の方は特殊な物質で表面がコーティング...
第5号 原稿募集要項 / Introduction to Marginalia No.5
新論説集「マージナリア」第5号 原稿募集要項 Introduction to Marginalia No.5 新論説集「マージナリア」運営委員会編集部 Editors of Project Marginalia Committee (...
【委員連載⑥】 書けない話
文章が書けない。 運営委員が持ち回りで書いているこの委員連載、自分の番が回ってきてから 2 週間と数日が経過しているが、未だに一文字も書いていない。編集部からの原稿催促のメールは既に 3 通頂戴している。書けないなら別の運営委員にお願いするとの警告も昨日受け取った。編集...
イベント Event (2015.11.05更新)
今後のイベント Upcoming Events (2015.11-) (各イベントから外部リンクに移動できます) 2015 年 11/8(日)14:00- 新論説集「マージナリア」第5号配布会 @東京大学駒場キャンパス(東京都目黒区) 11...
【委員連載⑤】 イシャに出会う
僕も自分の体調についてちょっとしたハプニングがあったのでそのことを書こうと思う. 二週間くらい前に遡ることになるのだが,肩こりに悩み始めた.普段の肩こりは,試験前で机やパソコンに向かう時間が長くなると時折悩むくらいで,風呂にでもゆっくり入ればいずれ治った.しかし,今回は...
【委員連載④】 ハイシャを選ぶ
歯が痛くなってきたので、歯医者に行くことにした。 実は、以前から虫歯の治療のために歯医者に通っていたのだが、治療しなければならない歯が多かったうえに、そこの歯医者は予約が取りづらくて、隔週の土曜日に通うというありさまだったものだから、いっこうに治療が終わらず、そのうちに...
【委員連載③】 無題1
Carlo Gesualdo という後期ルネサンスの作曲家が残した 2 編の O vos omnes のうち、先に書かれた方、 1603 年に出版された 5 声部のレスポンソリウムは、音楽史上における彼の作曲の特異性が如実に表出している作品である。曲の全体を通して半...