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2014年8月30日土曜日

学問的正しさについて考えました

吉村です。
昨今、それなりに知的な人も「基礎理論が一番偉い、応用は現実への当てはめに過ぎないのだ。よって、数学が一番偉い。」という考えを持つ傾向があるように感じます。また、このような考えに基づいているのでしょうか、研究費が削られると聞くと自称理論系の人は「役に立たないから予算を削るなんて、政治は嫌なものだ。応用は大したことをやってないのに役立つせいで予算が削られにくい。不快なことだ。」というようなことを暗に言うようです。しかし、応用とは単なる当てはめではなく、無数の理論と努力がある営みですし、世の中を一つの理論だけで説明することは出来ません、たとえ如何なる基礎理論であろうとも。十分に現実を観察せずに数学を過信することの愚はリーマンショックや福島原発で明らかだと思うのですが、なかなか分かって貰えません。企業が債権を発行するには必ず格付け会社の格付けを受けなければならず、かつAAAなんて世界全部で4社くらいしか一度に取得できないのにサブプライムはAAAが付いたのです、複雑な数学処理を行ったが故に。しかし現実をよく見ていなかったので崩壊しました。正しさは数学だけではダメなのです。詳細はhttp://seigaikijin495.blogspot.jp/2014/08/blog-post_30.htmlをご覧ください。

余談なのですが、現状論説集のメンバーには所謂製造業のイメージが強い機械系の人がいません。これが論説においても数学・形式的議論ばかりが主張されて応用、実用のもつ深みや面白さがイマイチ理解されない理由の一因ではないかと思っております。

(吉村勇志)


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