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2015年3月30日月曜日

交流会の報告


食事会 @御徒町「ポポラマーマ」


  運営委員代表の宮田です。
  きのう3月29日に「交流会」として、食事会を開きました。いろいろな分野の方が集まり、この活動にとっても、またそれぞれにとっても刺激的な会になったと思っています。

※新論説集「マージナリア」では、冊子の発行と並行して、定期的に集会を開いています。
「交流会」はそのなかでも、冊子上に関心を絞らないかたちでの、知的な交流を目指しています。


  食事会の席では、それぞれの関心を確認しながら、今後の活動について意見交換をしました。冊子について、また冊子に限らない活動について、可能性や課題が見えてきたように思います。どういう話があったか、ここに(ごく簡単ではありますが)紹介しておきます。メモのようなものでお目汚しになりますが、読んでいただけると、冊子の裏側というか、どういう意識で冊子が作られているのかということが伝わるかもしれません。


冊子について


  冊子を今後どういうものにしていくか、これは「マージナリア」がつねに直面する問題です。どういう人に読んでもらうのか、読者に何を伝えたいのか、何がこの雑誌の「売り」なのか……。こういった点について、活発な議論がありました。


・「マンション式」ではもったいない


  異分野のひとたちが書いている、というのはこの雑誌の大きな特色です。しかし今のままでは、それぞれの専門が独立してしまって、あたかも「マンション式」、つまり各部屋に一人一人が住んでいるだけになってしまわないだろうか?  お互いの考え方やものの見方が衝突して、改めて考えざるをえないような、そういう体験が冊子の上で実現できれば面白そうです。つまり、「談話室」を作ろうじゃないか、ということです。


・売れる雑誌?


  もともと内輪での活動だったこともあり、「売ろう!」という意識はこの雑誌にあまり強くありません。けれども、もし読者の幅を、参加者の幅を広げようと思うならば、「売れる」雑誌にするというのは重要なことです。参加者の幅を広げることで、寄稿者も自分の文章を、より広い文脈で意識することになるでしょう。間口を広げたい一方、専門に裏付けられたハイレベルな「論説」も重要な核となっているので、それらをどのように両立して形にしていくのか、これは大きな課題です。


・「特別号」発刊なるか?


  これまでの「マージナリア」は、「新論説集」という名がなんとなく示しているように、硬派な、学問的な趣を強く持っています。これを一度取っ払ってしまい、全く違う形で作ることができないだろうか? 「表現のしかたを探る」ということはこの雑誌のひとつのテーマになっていますが、そのために一度、実験的な号を作ってみるのは面白そうです。ひょっとすると、まったく趣の違った「マージナリア」をお目にかけることができるかもしれません。



冊子外の活動について


  活動を冊子の発行に留めておくのは勿体ないでしょう。さらに言えば、冊子外での活動を通じて、冊子の内容を豊かにすることもできるはずです。ただの「おしゃべり」に終わってしまわない、実質的な経験が得られるような活動をしたいと思っています。


・いろいろな話を聞きたい


  自分の専門でない分野について知ろうと思ったとき、例えば入門的な本を読むことができます。しかし、本ではなく、その分野の人に直接話を聞けば、その分野の人が何を考えているのか、自ら質問しながら知ることができます。自分の問題意識について、その人の考えを聞くこともできます。そういった交流ができれば面白いでしょう。発表・質疑という単純な形式に工夫を加えて実現できそうです。
  また、ひとつのテーマに関して様々な視点から発表したり、あるいは対談したりといったこともできるでしょう。


・文章に繋げる


  直接話し合ったことをもとに、文章を書くこともできそうです。今のところ「合評会」では、冊子に書かれたことについて話をしているわけですが、その逆、「話をして、そこから文章に繋げる」ということはあまりやっていません(実はそういう試みを、既に論説としてやっている人はいるのですが……。第4号をご参照ください)。あるテーマについてじっくり話をしたあと、それについて書くということになれば、また違った視点が得られるはずです。


・皆で劇を見に行こう


  ふだん関心や専門を異にしている人たちが、例えば演劇を一緒に見に行く。感じること、着眼点はそれぞれ異なっているでしょう。自分の面白いと思った点を、別の人はまったく違った意味で面白いと思うかもしれません。演劇でなくても、展覧会、工場見学、街歩き……いろいろな経験ができるはずです。それをまた話し合い、文章にすることができるかもしれません。

* * *


  いかがでしょうか。「いろいろなことができそうだ!」という希望と同時に、「どこへ向かっていくんだろう?」という不安も否定はできません。ですが、(これは私個人の思いなのですが)「どこへ向かっていくんだろう?」ということを絶えず話し合いながら進んでいくというのは、この活動の強みでもあると思っています。
  「何のために?」というのはなかなか厄介な問いですが、「マージナリア」がつねにぶつかるのもこの問いです。その問いにぶつかるたび、我々は熟慮を強いられます。そのつどそのつど考えながら進んでいければ、と思っています。


  そういえば、第4号を手にしました。食事会の風景を撮影し忘れたので、第4号の写真をあげています。みなさまこちらもどうぞよろしくお願いします。

(宮田)

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